写真は、黄金色にか輝く麦を刈り取った後の畑。写真ではわかりにくいが、本当に黄金色。直接見ると目がやられそうだった。
作品は『Wind from Sky』と『We are Elegant』の2つを用意していた。前者をザグレブで、後者をシュタグリネツで行おうと計画していたが、ザグレブではパフォーマンスなしになったので、どちらもシュタグリネツで行なうことにした。助成団体に申請する時には、「My land, Staglinec参加計画」といったタイトルで出したのだけれど、助成が出る時に「山岡佐紀子Wind from Skyクロアチア公演」というタイトルに換えるように指示された。それで困ったわたしは、両方をシュタグリネツですることにした。ところが『Wind from Sky』は明確に閉じたスペースがないと行えない作品である。シュタグリネツの会場は完全に屋外である。そこで、『Wind from Sky』は全く新しいバージョンを作ることにした。
作品『Wind from Sky』は、これまでは、フィールドパフォーマンスの部分と、ホワイトキューブのギャラリーでのパフォーマンスという2つのパートに分けて行っていた。今回は、パフォーマンスの日程が1日だけであることと、農村部であること、上演の会場が屋外であるということから、新しいバージョンを考えることにした。
村の端から歩き、会場を「通過」、さらに反対側の村の端まで歩く。約2時間30分の予定。ジャンル的にはデュレーションパフォーマンスにあたる。その「通過」の時に、 観客が直接見る、いわゆるショーケース・パフォーマンスをする。良い水がこの村の特質であると聞いたので、水を強調したいと思った。歩くだけの時は、観客とともにいない。イベントの最初にアナウンスをしてもらい、わたしは出発する。後ろ姿だけ見てもらう。
前日に畑を歩いてみて、実際どのくらい歩けるか確認。南から北へ歩くというプランをとった。南は豊かな黄金色の畑地が延々続く。北は畑もあるけど、鉄道があったり住宅があったりで、町へとつづく気配がする。世界における「南」の意味を、あてはめることができそうだ。
必要な材料をどう調達したらいいか、わからなかった。ピノに聞いても答えがない。「はさみ?どんなはさみ?」とだけ聞いて、説明すると「わかった」と言うだけだ。売っているところを教えて欲しい、あるいは連れて行って欲しいということなんだが。地元のアーティストが、ホームセンターがある場所を教えてくれる。畑のずっとむこうにその建物は見えた。ものすごく日差しが強い。でも、歩いていくことにした。このために、警察に通報されてしまうのだが。歩いている途中で、ザグレブから車で来ていたアーティストが拾ってくれた。パフォーマンスに必要なロープ、カゴ、リボン、はさみを買う。この代金は、あとでヴラスタが払ってくれた。
ホームセンターというものは、世界中、印象は違わないのかもと思った。カフェがついている分、日本のよりいい感じ。
また、「村人」へのインタビュウで作られる作品『We are Elegant』は是非やりたかった。だが、ヴラスタは、はっきり言わないが、なんとか、「村人」へのインタビュウをさせないようにしていた。通訳を頼んだスタッフは、ごまかして逃げてしまう。「村というのは、どこでも保守的なものよ。やってみたら。」と、はじめはPAVESのアーティストたちもわたしに味方してくれた。この村がどれほど保守的か、ヨーロッパのアーティストでも想像できなかったのだ。
結局、短いバージョンではあったが、即興的にフェスティバルのラストに行えたのは、本当に良かった。結局私はゲリラ的に行うよりなかった。頑固場ヴラスタも最終的には、笑顔で受け入れてくれた。
また、「村人」へのインタビュウで作られる作品『We are Elegant』は是非やりたかった。だが、ヴラスタは、はっきり言わないが、なんとか、「村人」へのインタビュウをさせないようにしていた。通訳を頼んだスタッフは、ごまかして逃げてしまう。「村というのは、どこでも保守的なものよ。やってみたら。」と、はじめはPAVESのアーティストたちもわたしに味方してくれた。この村がどれほど保守的か、ヨーロッパのアーティストでも想像できなかったのだ。
結局、短いバージョンではあったが、即興的にフェスティバルのラストに行えたのは、本当に良かった。結局私はゲリラ的に行うよりなかった。頑固場ヴラスタも最終的には、笑顔で受け入れてくれた。