21.8.09

クロアチア滞在レポートartists

7.クロアチアのアーティストの作品 






















  

クロアチアのアーティストの作品を少し紹介しておきたい。私は、自分のパフォーマンスが長かったので残念ながら多くのパフォーマンスを見ていない。左上はDuje Juricの『Tribute to the Snail』。噂に聞いて写真を見ると、面白い。どう身体につけたかわからないが、体中にカタツムリをつけている。ショーの後もしばらくそのままだったそうだ。彼はザグレブの作家で、静かで穏やかに話す人だった。右上はAntonio G Lauerの『Motion』。声とナンセンスポエムのアーティストで、クロアチアのパフォーマンスアートと映像アート界の重鎮だそうだ。話しかけると「マリア・アブラモビッチは私の生徒だったのだ」と目を細めて言う。パフォーマンスは裸で歩きまわりながら、「あ〜」「か〜」「お〜」など、たぶん意味のない音声だけを言う。言葉のヌードと身体のヌードがマッチしていて、ストレートなのに、どこかロマンチックで不思議だった。
左下は、スタッフのピノ。クロアチアの民謡をかけて、くるくると踊りながら、カラフルなスカートを一枚一枚脱いで行く。夕焼けに映えて楽しかった。タイトルは『The Buttefly‘s Elect/r/ic Dreams in the Winter』。
右下はヴラスタ。私は見ていないパフォーマンス。Excentric、Echologicalなどいくつかの観念的な言葉を書いた棒状の鏡の立てかけられた囲いの中で、彼女ベリーの実を食べているのか? タイトルは『Erzszebet Bathory 』ハンガリーの哲学者であるBela Hamvasのテキストがベースとなっている。今回のイベントのポスターのモデルになっていたスヴェンというザグレブの演劇青年が、Belaの詩を読みながら、囲いの回りを跳んだりはねたりしていた。


以下は、スエーデンの舞踏家、SU-EN(スーエン)。日本の白桃房で修行して、スエーデンに帰って、カンパニーを設立している。ここにはひとりでやってきた。キャベツをちぎっての円錐形に並べた中に寝ながらのパフォーマンス。シュタグリネツでは、ルームメートだったので、日本語でいろいろな会話をした。彼女も、






















8.まとめ

 21日にスペースの掃除をして、解散である。午後、ザグレブに帰る。
 ザグレブの国立劇場でEuroKazというシアターパフォーマンスのフェステイバルが開かれていた。チケットを買って一公演だけ見た。オーストリア=ハンガリー時代に出来たとおぼしき大変優雅な美しい劇場であった。チケット売り場の職員のあまりに官僚風の威張り方に驚いたりする。こちらがお客なのにと感じてしまう。
 
 10日くらいクロアチアにいたからと言って、クロアチアについてはわかったつもりには当然ならない。でも、ヴラスタたちが作ろうとしている場所については、少しだけわかった。大変、興味深いと思う。彼女という女王(シンボル)を中心に、男どもが楽しそうに集まっている。彼女は、若い頃に、ヌードで白い馬に乗ってザグレブの町中を歩くパフォーマンスをしたり、エロティシズムをずっと扱ってきた。
旧東欧の様々あるフェスティバルの系譜だと思う。ルーマニアやスロバキア、ポーランドなどでは、80年代末頃から90年代にかけて、いくつかあった。社会状況が変わって行く中で、それらのほとんどは、行われなくなり、違った形のアートイベントが開かれるようになっている。だが、クロアチアは、それらの国より自由化が遅れている分、今、必要とされているのだろう。
 そして、そこで、わたし自身のアート作品が、うまく生かせたどうか、正直、わからない。手探りだった。少なくとも、私としては、今までにない経験の中で、自分の幅を広げる機会になったと思う。地元の方たちには、わたしに、そしてわたしの作品に出会ったことが、記憶に残ってくだされば、ありがたい。


以下の写真は、イントロダクションのところで紹介した、クロアチアの国名変遷の作品を作ったアントニオと、その息子。アントニオは日本の禅を研究している。息子は、日本のアニメの大ファンである。