11.7.08

太陽の下の風

「わたしは生きている、植物も生きている、ゆえに、わたしは植物である。」
これは、境界人格障害の人のことを書いた書物で見つけた、あまりに芸術的な認識の「間違い」の例です。確か、木村敏さんの書かれた本です。(あまりに芸術的な、と形容したのは、木村先生だったと記憶しています。)
わたしは、その間違いを体験してみようと、天気のいい日中、4時間、2日間、植物になりきって、太陽を向いて、風になびきながら、
過ごしました。写真のふたつの椅子は、「あなたもなってみませんか」と人間に誘いかけています。学生さんが、随分、トライしてくれました。植木鉢の観用植物は、人間界になれすぎたわたしの仲間、話し相手として、置きました。風が強いと、倒れちゃうのですが、通行人がいつの間にか直してくれます。鉢の水は、時々飲みます。
この間、気がついたことは、太陽は、とても速いということです。はじめの1時間くらいは、ゆっくりだと感じましたが、植物になりきってくると、追いかけるのが、やっとです。そして、人や車の音はほとんど記憶になく、風の音の変化のことだけが、思い出されます。

はじめてのデュレーションパフォーマンスは、思いのほか、すてきに過ごせました。
見た目はどってことないですけどね。この経験を元にした、作品を室内のギャラリーで行いました。それはまた別の日に。