12.5.10

8〜9日目

月曜は、環境問題関係の人によるインチョンツアー。まず、ソンド国際都市(って名前だったかな)に行く。塩田やら野鳥の生息地をつぶして、相当大きなニュータウンを作っている。そこには海外の企業を招く予定。彼らのための居住地もある。学校の用意もしている。ゴルフ場もある。そこを、見学。韓国一高いというビルに案内される。まだ、建築中だが、入れてもらった。その後、そのタウンのはじっこにある、クロツラへラサギという絶滅危惧種(世界で1600羽しかない)の生息地に行く。信じられないほど、小さな島(岩というべき)に住んでいる。わたしは、かつて、東京湾で見た。鳥たちは、双眼鏡では見えるけど、写真に写りませんでした。下の2枚の写真は、その韓国一というビルの屋上から撮った。



今日は、子供たちのワークショップの初日。わたしの提案しているファニートリオという計画は、なんとか滑り出した。けっこう、込み入った計画なんだが、なんとか、やってくれている。あした、写真を撮ったり、プレゼンテーションタイムを持ったりする。80分なんてあっという間に経ってしまう。写真では、彼らは3人組になって自分たちのチームの制作を相談している。


  このパブリックアートは、昔風のいかめしい校門を、新しいイメージのものにかえようというもの。「美しい校門」というタイトルだけど、「美しい」というのは、ビジュアル的にではなくて、考え方が美しいということ。これまでに3つの門を手がけた。デイレクターはメディアート系のアーティストである。実際にそれを使うのは、その学校の児童であるから、児童が何を考えているのか、知るために、ワークショップは行われる。しかも、外国から招待されたアーティストたちによって。このワークショップでは、別に、子供たちと門のデザインを考えるわけではない。いわゆる、パブリックアートの作家ではできないことをしたい、というのは、なんとなくわかる。わたしは、今このディレクターの理想主義は、どのようなものなのか、考えている。すてきだと思うけど、本物なら希少種でしょう? どこまでやったらいいのか、考えている。やるしかないけど。
ちなみに、わたしの作品など作れそうもない分、子供のワークショップを行う経験をさせていただいている、という思えば、ありがたい機会なのだ。
なにせ、美術学生でもない子供たちの想像力は、けっこう私には、刺激的。
彼らには彼らの理想があって、それは間違いなく「美しい」。今日は、そのことを知って面白かった。絵が上手にかけたって、将来飾り物を作るしかないなら、あまり十分には「美しくない」と、確かに思う。
わたしは、絵が上手に描ける子供、発想が豊かな子供、リーダーシップをとるのが好きな子供、他人のアシストが得意な子供、いろんな子供が、協力して「美しい」「楽しい」ものを
作る、という共同作業に、今回はかけてみている。絵を描くがきらいな子が、アートをきらいになってもらって欲しくない。