6.11.12

パブリックサービスセンター始動 "Public Service Center" in Monday

パブリックサービスセンターを昨日開始しました。今日は、雨なので休みです。きのうの様子をご報告します。

杉並区今川と桃井の4カ所にパーキングしました。




まず、鼻を塗り合う。もともとこのペイントは、私が「近所のおばさん」ではなくて、「異人」になるためです。プライアスさんは、明らかに「異人さん」なので、必要ないと思ったのですが、塗りたいというので、塗りました。でも、後になってみると、とても意味があったと思います。




上の写真は、鼻を塗る前です。ここは、井草八幡神社の近くの「切り通し公園」という児童公園で、まずは練習がてら、セットしてみました。お客さんとして座っているのは、イベントに興味を持って来てくれた、松本君です。彼は、サービスのリクエストをしてくれました。それは、「花粉症のよい直し方」。お医者の薬では効かないそうです。プライアスさんが、アーユルベータやホメオパシーをすすめました。






ここは、今川3丁目の交差点のセブンイレブンの裏の駐車場です。
私は、コンビニエンスの前か横か後ろかで行ないたいとずっと考えていました。コンビニエンスは、老若男女、良い人もちょっとイケナイ人も誰でも気軽に入ることのできる場所です。お買い物がなくても、ちょっと入ると和むってこともありますよね。そのような場所の隣が、サービスステーションになればいいと、思います。せめて、ベンチや掲示板があればいいと。建物、ではない方がいいと思います。田舎の方に行くと、ちょっと不良なガキどものたまり場になっています。ちょっとジュースやお菓子も買えるし、待ち合わせにもわかりやすいです。コンビニが責任を持って管理しなくても、ちょっと貸してくれればそれでいいと思いのです。
そして、それを行政がやるのは、だめなんだろうなと思います。食み出た人たちを「把握」するためのツールになってしまいますからね。
「善」のサービスではないのです。

このコンビニは利用者が多くて、駐車場の出入りも激しかったですが、誰にも文句を言われなかったです。通行する人たちは、なんだろうという感じに私たちを見ていました。なんの「パブリック」なんだろうと思ったのでしょう。どういう行政機関から来たのか?看板は役立っています。
皆さん忙しそうだったので、ついに、誰もお客さんにはなりませんでしたが、4秒くらいは見て行きます。ここで、私たちはなるべく「アイコンタクト」をするように心がけました。それから、挨拶をすること。

私たちは、移動している時も、人に会うと「こんにちは。」と、言うことにしました。たぶん、背の高いインド人はちょっとこの辺では目立ちます。......日本人って、インド人が好きですよね、不思議なことに。


次の桃井4丁目セブンイレブンでは、店の前に設置してみました。写真では、セット前みたいですが、たぶん、セットして、座ってみたものの、お店の方が出てきて「そこはトラックが搬入で停まるあたりなので、危ないですよ。それに......聞いてないですよ。」(つまり、パブリックサービスと書いてあったからだと思う)と、注意されたので、退散するところです。



次は、桃井原っぱ公園。大きな木の横にパーキングしました。配色も雰囲気もいい感じです。ここが「ハラッパ公園」だとプライアスさんに話すと、インダス文明の都市と同じ名前であることに、感動していました。私も、そこに座って気がついた次第ですが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハラッパー




ここには、なんだかだと1時間いました。写真にはないのですが(たぶん、ビデオに撮ってくれていると思います。カームさんがドキュメント係です。)、いろんな人と話しました。写真の人は、愛犬とともに、毎日ここを歩いているそうなので、明日も会えるでしょう。プライアスさんからのサービスである「未来の電化製品のアイデア」に受けて、タイムマシンが欲しいというおじいさんにも会いました。結婚前の自分のところへ行きたいそうです。また、女性の方で、「知らなかったわ」と言って「がんばってください」と声をかけてくれた方もいます。知らなくて当然なんですが......。
この公園は、毎日、来たいです。管理事務所から見えるところですが、注意は受けてません(まだ)。たぶん、ピクニック風なので、良いのではないでしょうか。




最後の30分は、松本君が座ってくれて、オセロをしました。
撮影隊のカームさんも、座ってお茶を飲んでます。このゲームを始めたら、小学生の子供がふたり近寄ってきました。どうやら、その子たちは、オセロが好きらしい。私は、ピーナツを差し出して一緒に食べながら、立ち話しました。彼は、今日はプールに行かなくてはならないので、明日来ると言っていました。立ち去りがたそうでした。ゲームなら、言語の壁は乗り越えられますね。
それから、この写真の背景に座っている女性を見てください。この人はけっこう長く、あのベンチに座ってこっちを見ていました。


案外、中年以降のおじさんがふらふら寄ってくれます。
前の日の夕方遅く、上石神井の駅前で、ひとりのネクタイを緩めた初老の男性が、小さいモツ焼き屋に、吸い込まれるのを見た事を思い出しました。家にまっすぐ帰りたくない、ちょっとあまずっぱい気分で、吸い込まれて行く......。

あの感じの場所がやれたらなと思います。それは、公民館ではできないことです。
たとえば、ちょっと後ろめたい人生を歩んでいる人たち。自信をなくしている若者。孤独なおかあさん。塾に行きたくな小学生。彼等は、公けが用意したサービスなんて受けたくないですよね。
だからって、飲み屋やノミ屋やゲーセンばかり行って、身体やお財布に負担をかけてばかりもどうかと思うし。


私達は、たった4日しかしないし、あたりまえながら、社会貢献的「効果」は全くないでしょう。でも、需要は確実に感じます。「緊急」なことなのではないかと思います。プライアスさんは彼の滞在の残り3週間、毎日やりたいと言っています。ああ、それはわかる。でも、私の交通費はかさむ一方、ちょっとそれは無理かなあ。

カームさんに、日本は毎年、3万人以上の自殺者がいることを話しました。「理由はなにか」の質問に、私は「相談する人がいないのだと思う」と答えてみました。どうでしょう?そして「ただ、一緒にいて、おしゃべりする、そういう人が、ひとりかふたりかいるだけで、助かる人もいる」。そう思います。

私は、誰かを救いたいのでしょうか? いいことをしたい?

違う違う。そうではない。
...........たぶん、私がそれを必要とする日がきっと来る。そう思うからです。「緊急」というのは、その意味でもあります。そういう場所が、どこかにあったらいいなと。そして、少なくとも、アートの発想によって、世の中や自分への見方が変わったらいいと思うのです。私自身も。そして、「私に似た人たち」が。そして、アートがそういうものだったらと(人を救うのではなくて、考えに広がりを持つヒントみたいなこと、あるいは、その居場所として。そして、そこには、たとえば、....ある意味、「悪(あるいはくだらないことを楽しむセンス)」みたいなことも含まれてなければ、最終段階で、本当に人は「生」を選ぶことができない、そういう意味での....。


せめて.....ちょっと宇宙人のUFOが停泊していった、数日.....みたいなことをできたらと思っています。赤い鼻の宇宙人たちです。