所沢で行っている「ヒキコミセン(カタカナで書くのは検索にひっからないために、実際は漢字)」という展覧会を、おととい見ました。友達のマスヤマシロウさんが出品にしているし、彼とはあまりこれまで話したことがなかったので、会う、という目的もありました。
この展覧会の大事なことは「作家主導で」ということらしいです。80年代〜90年代前半に活躍した彫刻家、インスタレーションの作家、画家が中心的なメンバーという感じ。商品化、コマーシャル化に対する反発から、企画したものと思われます。テーマは設けない、作品の形式、形体、思想は限定しない。だそうです。
場所は、天井が相当高い、西武線の車両工場で、迫力満点。こういう場所で、展覧会をしたい!と思う人たちの気持ちはよくわかります。
20年くらい前によく拝見していたアーティストの作品に久しぶりに会えて楽しかった!
ところで.......多くの作品は、ホワイトキューブで見たら、もっとよく見えるだろうな、と私は、思いました。美術館や、設備のいい画廊で見たいような作品です。場所自体が、迫力ありすぎるので.......。
本心は、彼らは、美術館で展示したいんではないかな〜、と思ってしまいかしたが、どうでしょうか。
外に飛び出したなら、そういう視点の作品、戦う作品であって欲しいな........。
このような場所では、思想的かビジュアル的にサイトスペシフィックなものが見たいと思います。
因みに、知り合いのマスヤマシロウさんは、年代が若いせいか(スペースに幻想がない?)、すんなり、サイトスペシフィックになっていました。労働の場に、労働をテーマにしたのは、正解でしょう。見た目より、アイデアを優先しています。
彼は、アウトサイダーだという意識が強いみたいです。社会のアウトサイダー、アートからもアウトサイダー。でも、「そういう意味」で、メジャーでいたい。がんばれ。
作家主導であるべきと言う気持ちはよくわかるし、世の流行にふりまわされるのはまっぴらというのもよくわかる。何十年作品を作っていて、方向性がまったく変わらないのは、りっぱなことなのかもしれません。キュレーターやライターは、どんどん、別のアーティストへ興味を移すことができるけど、アーティストはそうはいかない。わたしは、そんなに長くやってないのでわかりませんが。
とにかく、プロのコーディネーターやキュレーターが関わってないことで、自由にできて、良かったのなら、それは、何と言っても良いことだと思います。産地直送野菜みたいなのりで、お客さんに届けられれば、その方が、鮮度はいいはずだ。
今、ということをいろいろ考えさせてもらえて良かったと思います。