24.9.08

鼻を使え



















去年、インドネシアのボロブドールに行った時、ガイドの男性が、手相占いをしてくれた。結婚するとか、子供ができるとかそういう、普通の話もしてくれたかもしれないけど、それは全部忘れた。それより、ちょっと、うわっと思ったのは「体制に抵抗するタイプ」あるいは「体制の中で出世するタイプ」という読み。いっしょにいた若いカナダ人の女性は、出世タイプだった。わたしは「protest type」とか言われて、反抗するタイプだと彼は言った。あの仏像群の中で、いわれてしまうと、なんとも言えない気分になる。

学校の成績も良くて、先生に大事にされていたわたしなのだけど、いったい、いつからこうなったんだろうかと、悩んでしまった。端から見ていると、一目瞭然なんだろうが、自分としては、正道を歩んできたつもりだったのよ。そういえば、高校の時、担任が、軽い暴力までふるって、わたしのアートへの道を阻止しようとしたのは、そういうわけだったのか...。
パフォーマンスアート仲間は、学校から食み出ていた人ばかり。う~ん。腹をくくらなくてはならないか。

だが、安易な二項対立は、危険。
反体制を掲げる人って単細胞の「馬鹿」みたいに見えるし、いつだってメインストリームの周辺を歩こうと躍起になっている人は「風見鶏」みたいで格好わるい。
わたしの立場は、............離れて見る、というところかな。一番、「卑怯」なタイプであるが。
でも、会社勤めの頃から、職人さんが好きで「おまえは、どっちの社員なんだ!」と上司に叱られていた。別に、弱者寄りというのではなくて、面白い方に寄って行ってしまうだけ。

理念でなくて、嗅覚を信じるのだ。「鼻を使え」。つまり「象使い」である。それで滅びたとて、それで良いと思っている。もちろん、生き延びる事が何より大事である。それが、どんな形であろうと。怖いけど。

自分の話ですんません。