1.3.11

旅 到着マドラマーニャ 3/1

(写真後でいれます)

1日目。夕方にバルセロナに到着。車での迎えが来ていた。オラシオという名前のおじさん(と言っても失礼ではないだろう)。英語は苦手だけど、陽気に話してくれる。フットボールのバルセローナチームの熱烈ファン。道を間違えたようで、舌打ちしながら「今日はおれの日ではない」と言ってウィンクする。3時間くらい走って、着いたところは、マドラマーニヤというジローナ郊外の村の大きな一軒家。オーガナイザーのデニスが笑顔で出てきた。こざっぱりした小柄なイギリス女性。まったく飾りというものがないけれど、きれいな人だ。夫は、イギリス育ちのタイ人でトゥ・ブンナグ(中国人の先祖を持つ)という。外交官の息子で、今は、小説家。そして大学で、アジアの哲学などを教えている。易経と太極を教えているんだって、驚くではないか。
 彼とテーンネイジャーの娘とそのボーイフレンドたちが、キッチンで食事をしている最中だった。トゥが作ったスープは野菜中心で(チキンが入ってたかも)ジンジャーがきいていておいしい。ワインもいただく。家族的な雰囲気。すぐにリラックスする。デニスとのこれまでのメールのやりとりが、ちょっとすれ違いがちだったので、不安だったが、すぐに解消された。単に、サクサクと事を運びたい人なのだとわかる。暖炉も人も暖かい。運転してくれたオラシオという人は、使用人なのか、60歳くらいで、この家に住んでいる。アルゼンチン人だそうだ。

   トゥが、とても豊かな表情で話をしてくれる。デニスの英語はネイティブであるだけでなく、せっかちな性格が手伝って、すんごい速くて、半分近くわからないけど、トゥは、ゆっくり話してくれるので、ほとんどわかる。少し話すと、さっそく「ヨーロッパの思想は浅い。社会構造に問題がある。世界を牛耳っているつもりだ。特にイギリスはひどい。」といった話になった。調子を合わせていいものかどうかわからなかったので、今日のところは微笑んで「賛成です。」と言うのにとどめておく。

2階の素敵なゲストルームで、眠る。アジア風のしつらえ。シャワーもトイレもすぐ隣にある。時差ぼけに備えて、早く寝る。
寝ていると、誰かが到着した。となりの部屋に寝るらしい。一昨年、クロアチアで会った、ブラスタだ。なんか、懐かしい親戚のような勢いで、トイレの前で熱烈挨拶。

この家は(翌日に聞いたことだけど)、インディアンスタイルと言うのだそうだ。200年くらい前に、貧しいスペイン人たちが、一攫千金を夢見て、キューバに渡り、稼いできて、帰ってきて、作った家のスタイルらしい。カタルーニャには時々あるらしい。特にこの家は、レストラン兼ホテルとして作られた。近くに、いい水のあるところがあるから。だけれど、ビジネスは失敗で、長い事、ほったらかされていた。20年前に、デニスたちが、安くで買い、長い日々をかけて、改修して住んだ。フリーハウスと呼んでいて、いつも、誰か泊まりに来ている。特に、女性が泊まりに来ているようだ。家をなくしたとか、いろいろな理由で、次のステップに進むまで、この家にいる、といううような。デニスが育った家もそういう家だったそうで、自然にここもそうなったと。ベッドルームはいくつあるのかな、6個くらいはあると思う。庭には、様々な植物。オレンジも桜もある。イングリッシュガーデンだ。犬は二匹、大小。猫は3匹。若い白いのが2匹と、年寄りでおデブなのが1匹。私から見るとほとんど夢のような家。