22.11.09

帰国しました。

おととい帰国しました。最後の晩に、風邪を引いたらしく、飛行機の中で、吐きながらかえってきました(笑)。検疫はめんどくさそうなので、無視して、家に帰り、熱いオフロに入り、おかゆを食べ、2日ひたすら寝、なんとか、直ったみたい。インフルエンザじゃな〜いと祈りつつ。大丈夫、高熱は出てない。

台湾。わたしが参加したイベントで、わたしがもっとも成功したもののうちのひとつとなりました。

昨年からやっているパーティのように優雅にセットされたグラスたちをターミネート(皆殺し)していゆくパフォーマンス『Wind from Sky』、台東大学の100人以上の学生に囲まれて、ほんものの風がびゅんびゅんふく屋外の石造りのステージで、日も暮れ始めた約一時間、ねっちりと、闘牛のようなしつこさで、ねじふせました。ちょっと中だるみしたものの(つまり、風が強いので、紙やプラスティックのものが置けず、全体の質感が似てきてしまったのでね)、屋外であることを良いことに、暴力性がましてきて、力士のようになってきた。すいかや、シャンパンボトルという大物も、がしゃぐしゃ。面白かったのが、ものが落ちるたびに、学生さんがキャーと声をあげ、しまいには、5人ぐらいの学生さんが出てきて、シャンパンやグラスを、救済してゆきました。
準備に少々お金がかかる作品ですが、やるたびに、状況が変わって、自分でも、ハラハラします。買い物にも、神経使ったよ、だって、100円ショップがないんだもん。でも、お店で、ねぎらせていただきました。

新しい作品『Ceiling Painting』は2時間のデュレーションパフォ。台北と台東の両方で行いました。これは、参加アーティストすべてが、同じ時間に別々の場所で、別々の作品を2時間行うというもの。観客は地図を持って、見てまわります。(ちょっとサファリパークみたいなもんだ)
台北では、公園の中の、子供がよくのぼるような木造3階建ての展望台の、てっぺんの狭いスペースで行いました。覗き込まなくてはならないので、あまり、よく見られなかったかもしれないけれど。ただ、アイデアはわりと、判りやすかったと思います。陰陽の印、太極の図を描きました。その上に、白い面にyesというシールを貼ったオセロのコマを、120個ほど置き、直接、見ずに、目を背けたまま、指の感覚だけで、コマを裏返します。はじめは、ばらばらに置いて、それから、それらをずべて、黒にする。yesの側は、シールが貼ってあるので、ざらざらします。時々、脚立に登って、その上から双眼鏡で、それらを確認する。双眼鏡は、近くを見るための道具ではないですから、大変見にくい。すべて黒にしたら、今度は、すべて白のyesにする。およそ、2時間かかります。双眼鏡で、脚立の上に立つときは回りの風景も見て回る。それは、公園内のいろんな人から見えたでしょう。面白かったのが、原住民であるワタンというアーティストが、展望台の私に、原住民の姿で、弓矢を射るアクションをしたこと。150年近く前の、台湾の状況を、表したみたいです。

台東市では、元砂糖工場跡地が、私たちのデュレーションパフォーマンスに与えられたスペースでした。わたしは、元事務所棟で今はカフェになっている建物の中庭で、行いました。ここには、黒犬2匹と猫がいつもたむろっています。白黒のオセロのコマを使うので、いい感じになると思いました。ここでも、学生さんの自由参加があって、終わるとともに、そのまま、ミニトークタイムになっていったのは、良かった。うれしかったのは、カフェのオーナーのナイスなおにいさんが、いたく喜んでくれたことかな。指で、ゆっくり、yesを探すというアクションは、理解しやすかったと思います。ヨコハマのカフェのオジサンもこうだったら、良かったのに..........。
残念なのは、このイベントの方法だと、他の人の作品がほとんど、見られないことですね。
なので、自分の話ばっかりになる。


トークイベントもしました。予定にはなかったので、ホームページからテキストをダウンロードして、持っていたDVDをネタに、1時間ほど。通訳が入るから、実質45分くらいだったかな。5月のザグレブ行きの時に作ったものが、ここでは、カットされずに、最後まで、見てもらうことができました。


今回学んだことは、イチローに同じく、パフォーマンスに立つまでのプロセスが大事ということ。集中力を高めてゆく流れの中に、無駄をはぶいて、まっすぐ、目的に向かうということ。わかっていても、いつもできるわけではないですね。
今回は、オーガナイザーのイエーツーチーの、イベントの目的がはっきり、わかり、それがぶれていないことを知って、リラックスできたこと。ウソや駆け引き、パワーゲームがないこと。これは、わたしのような生き物には、ありがたい。
この実績を、どう日本での活動に生かしたら、いいか、考えると頭が痛い。単に、台湾の空にギフトとして、撒いてきただけのことになるのか?
まずは、今後は、知り合った学生さんたちを、C&Mに巻き込むかどうか、考えている。


写真は後日。