7.5.08

diary(May07)

5月7日
わたしはフランクフルトから電車でワルシャワに向い、夕方到着した。顔を合わせたアーティストたちと近くのピザ屋に食事に行った。エステリ・フェレーリ、バレンティン・トレンソ、ボリス・ニーズロニー、アルトュール・タイベル。よく知っている先輩たちばかりばかりだ。再会を喜び合い、最近の活動について、おしゃべりする。

 今回参加したパフォーマンスフェスティバル「インタラクシャInterakcje(英訳はInteraction)」というタイトルのアートフェスティバルは、今年で10周年。1998年に、ポーランド出身でパリに住むリシャール・ピエガ(Richard Piegza)と、ピオトルコフトリブナルスキという長い名前の地方都市のアーティスト、ピオトロ・ゴイダ、ゴーディアン・ピエスらの交流から生まれたフェスティバルであるらしい。場所は、首都ワルシャワから車で3時間くらい。人口80000人の小都市。16世紀頃(?)に短い間、ポーランドの首都だったことがあると聞く。その後、国際的なアーティストのネットワークを持つ、ワルシャワに住む著名なキュレーター/アーティスト/ライターであるヤン・スビジンスキーをキュレーターに迎え、インタラクシャは国際フェスティバルとなった。



















わたしは、2001年から続けて3回参加した。写真は、2001年のわたしのパフォーマンスの様子。地下のバーで行ったものだが、わたしも、観客もかなり素朴な感じ。 ちょうど、わたしが、国際展に参加し始めていた時期と重なり、修行も兼ねて参加を重ねた(招待状も続けて来た)。

その後、インタラクシャはワルシャワ、クラクフ、ルブリンなどの他の都市のオーガナイザーとの連携もあり、ポーランドではちょっとした規模のフェスティバルになったらしい。なんと市長がスポンサーである(おどろくまでもないのだろうか)。余談だが、2003年に私が参加した時、市長とアーティストたちによる昼食会があった。公園でのブルジョワなメニューのピクニック、ジャズの生演奏もあり、テレビ局もやってきた。市民が遠巻きに眺めていた。選挙がらみのものだったと聞く。今思うに、フェスティバルの中で一番目立ったパフォーマンスだった。キュレーターのヤンは怒って参加しなかった。市長は、やたら、顔色の悪い人だったと記憶している。で(ということもないけど)、その市長は落選して、今の若い市長に代わったが、ありがたい事にイベントのサポーターの立場も引き継いでくれた。
フェステイバルの意味が、確実に80年代とは変わっている。日本と同じく、町おこし的なのりとも言えるが、むしろ、ここでは文化起こしであろう。市の広報であるホームページに、市の文化名物のひとつとして、載せられている。

 
今年は、10周年ということで、スビジンスキー氏の関係なのだろう、ワルシャワの現代美術センターで「In context of Art Difference /Inteeraction」というイベントが加わり。賑やかさが増した。そして、わたしも5年ぶりに招待状をいただいた。左のポスターは、ワルシャワのフェスティバル用のもの。
いろんな興味深いアーティストが参加していたので、レポートを書いてみようと思う。

4.5.08

本当に壊れるということは

人間の邪悪さは、憎まなければならない、しかし。それを否定したり、排除したりすれば、世界は本格的に、壊れてしまうだろう。

3つの作品

作品は3つ用意。
かなり完全に新作「Wind On A Palace」は、息とくしゃみと羽根と飛行機の写真(去年用意した三菱の飛行機の写真を使うが、今回は、ミツビシであることは関係なし)を使う。事務用家具で要塞をつくる。カフカの「城」をちょっと連想。野心昨なので、かなり、ディテールをつめなくてはと思うが、オーガナイザーの趣味なのか、場所や状況を見てから、決めさせたいらしい。もちろん、それでOK。これまでの蓄積がものを言うか言わないか。生な感じが命ってか。
次は「A Plant Is Alive Like Me」は、町に出て、Duration Perfomance (早朝から夕方まで)をして、それから夕方、イベント会場で仕上げるもの。緑の衣装で、植物の気持ちを表す。境界人格障害の「植物は行きている、人は生きている、ゆえに人は植物である」というアイデアに魅せられている。
もう一つは、「Drill」2006年くらいから、少しずつ進化している作品。「わたしたちはなぜ健康であることを求められているか?」これは、国の保険事業への問いがテーマになっていて、オリンピックの映像もあり、時期にあっている。
映像を見直して、なんて、タイムリーなんろうかと思う。......でも長生きされては困るらしいのよね。

ところで、3つの箇所でイベントがあるので、3人のオーガナイザーとメールでやりとりしているが、同じ、ポーランド人でもなんて、人柄の違うことか? ワルシャワの人は、えらくきどっていて、丁寧かと思うと、いきなり「疲れた!」とか言い出す。クラクフの場合は、イベントの規模が小さいということもあるのか、かなり、シンプルかつ親切である。ピオトルコフは、役所仕事みたいに投げやり。それぞれ、オフィシャルにやっているつもりなんだろうが、こうも違うのかと。まあ、ワルシャワは国立美術館だし、クラクフは、クラブであるという違いは大きいと思う。ピオトルコフは、市長肝いりの地方イベント。それぞれ、背景があらわれているってわけなのだ。おもしろい!!
学ぶぜ。